掌蹠膿疱症とは?
掌蹠膿疱症はウミが溜まった膿疱と呼ばれる皮疹が手のひら(手掌)や足の裏(足蹠)に数多くみられる病気で、周期的に良くなったり、悪くなったりを繰り返します。
ときに、足と手のほかにスネや膝にも皮疹が出ることがあります。皮疹は小さな水ぶくれ(水疱)が生じ、次第に膿疱に変化します。その後、かさぶた(痂皮)となり、角層(皮膚の最表層にある薄い層)がはげ落ちます。後にこれらの皮疹が混じった状態になります。出始めに、よくかゆくなります。
また、鎖骨や胸の中央(胸鎖肋関節症)やその他の関節が痛くなることがあります。

足の皮疹は水虫によく似ていますので、診断をはっきりさせるために皮膚表面の角層を一部取り、顕微鏡で調べて、水虫を起こすカビ(白癬菌)がいるかどうか調べる必要があります。その他、間違いやすい皮膚病としてかぶれ(接触皮膚炎)や乾癬などがあります。
治療方法は?
非常に難治であり、治癒を目指すためには、喫煙している人は禁煙すること、副鼻腔炎や扁桃炎の治療を行うことが重要です。原因治療によって症状の改善を期待できるものの、症状が出たり消えたりを繰り返しながら年単位で続くことが多い慢性疾患です。そのため、原因治療と並行して症状を抑えるためのステロイドやビタミンD3の軟膏外用及び紫外線治療を行うことも重要です。
一生治らないのですか?
患者さんのうち2~3割は病巣感染や金属アレルギーが関与していることがわかっていますので、積極的に検査して、治療すれば掌蹠膿疱症も治癒が期待できます。残念ながら、患者さんのうち7~8割は検査をおこなっても原因を突き止めることができず、対症療法を受けることになります。
しかし、安心して下さい。長い間、患者さんの経過をみた研究によりますと、ほとんどの症例が自然に治ってしまうことがわかっています。治るまでの期間は報告者によって異なりますが、平均で3年から7年とされています。
ですから、それまで対症療法により、症状を軽くして、生活する上で支障がないようにコントロールしていきましょう。